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海外旅行トラブル体験記(ミラノ:サイフ盗難編)

2002年に8日間でスイスとイタリア旅行中のことです。

スイスのサンモリッツからベルニナ特急に乗車。国境を越えてイタリアに入りました。
ティラノからミラノに向けて列車で移動中、疲れがたまったのか、2~3分寝てしまいました。
17時30分 イタリア・ミラノ中央駅に到着しました。
トイレに行きたかったので、トイレ前まできました。イタリアの駅のトイレは有料トイレです。

トラブルが発覚したのは、トイレの前でウエスとポーチを開けて、サイフを取り出そうとしたその時です。

サイフがないのです!!!

「はぁ~~~」と、深呼吸をしました。別のところかと思ってスーツケースを開けます。
存在しません。もう一度カバンとリュックの中をごそごそします。

2001年2月に大丸心斎橋店1階にあるルイビトンのお店で、予約までして買ったあのバニラ色のサイフ…
現金2,000円、ユーロは日本円にして3,000円分、スイスフランも1,000円分程度、クレジットカード2枚、銀行のキャッシュカード、運転免許証、レシート、香港で買ったときのお守り、スイスでの乗り物のチケット、サンモリッツで記念に買った切手、全日空のマイレージカード、買い物した時のレシートなどなど・・・自分の手の届くところから、姿を消えてしまいました。

どうしよう…現金は無くとも、クレジットカードさえあれば何とかなりますが、それもありません。

ホントに全てがお亡くなりになりました。残っているものはスーツケースにあるパスポートと帰りの航空券、日本の硬貨200円程度。
パスポートと航空券は無事で何よりでしたが、200円を持ってたところで使えるはずもなく、異国の地でまた無一文になってしまいました。

警察か…もうこの手しかありません。ミラノ中央駅の正面改札を背にすると一番右手、さっきのトイレとは正反対側に駅の警察署があります。ドアを開けました。
入ると、強化プラスチックで完全に仕切られた部屋と左側にはさらに中へ入るためのドアがありました。セキュリティーロックされていてそれ以上は入れません。でも、透明なので中で何をやっているかは分かります。

奥の左側の部屋では、机越しに警官と女性が座って何か話をやりとりをしていましたが、仕切られているので話の内容は分かりません。
話が終わって席を立ち始めた頃、女の若い警官が扉を開けてから「何や?」と言って出てきました。

「サイフを盗られました。」
「どこで?」
「ティラノとミラノの間の列車で。」
「中に何が入っていたのか?」と、鋭い眼つきをして尋問口調で聞いてきます。

その割には同僚が出入りするのを笑って応対したりして、良く分かりません。愛想が良かろうが悪かろうが、女性であろうが相手は警官です。

「中に入れ。」と浅黒い肌に青いアイシャドウを入れた若い女警官はドアを開けて、先ほどの奥の左側の部屋に通されました。日本の婦警で青いアイシャドウ入れたり、金のネックレスをしたり、ピンクのマニュキアをしたりする警官はまずいないでしょう。

入った手前の椅子に「座れ。」と言い、「お前は英語が理解できるか?」と聞いてきたので、「できる。」とはっきり応えました。

すると、机の引き出しから英語用の調書を取り出して、「この調書に書け。」と、A4紙を机の上に置かれました。パスポートを渡すと、女警官は端末に情報を入力し始めました。

本邦初公開(?)イタリア警察の調書(英語版)です。

各項目に注釈をつけました。
イタリアで盗難にあった場合は、これでアナタもちゃんと書けます(笑)ご参考にどうぞ。

police_form_01.jpg


入力が終わる頃、「Where are you "ボルン"?」…"ボルン?"と理解できない言葉に語尾を上げて聞き返しました。

すると、メモ用紙に"BORN"とでっかく、しかも面倒くさそうに大文字で書かれました。"ボーン"の事です。
生まれた場所のことだと理解できたので、"OSAKA"とそのメモに書きました。女警官は、再び端末にそれを入力し始めました。

調書には、名前、住所、盗られた状況や犯人に対する説明、それを保証する人がいるか否かなどの欄があり、英語で書き始めました。個人情報については、英語以前にローマ字の域なので難なく書けるけれども、「状況を英語で説明せよ!」という問題文には、最初かなり困りました。

 少し考えていると、今まで取りとめもなく書いてきたメモ帳にティラノ駅から乗った列車の停車駅と到着時刻や、列車に乗ってどのあたりで寝たとかを全て控えていたのを思い出しました。

 細かくメモしてことがまさかこんなところで役に立つとは思いもよりませんでした。

何でもいいから情報としてカタチに残すことがどれだけ重要であるかを骨身にしみて感じました。

  盗られたか無くなったか分かりませんが、その経緯を分単位で書けるからです。おもむろにメモ帳を取り出して、そのメモを参考に英文に訳して書きました。

一応盗られたことを前提にしました。犯人の説明できるか?の欄は寝てて分からないので、"No,I can't"と書き、自己添削してから女警官に出しました。

状況説明の英作文をしている時に「電話番号は何や!」とか、「これはどう読むのか?」とか聞かれたので逐一答えますが、答えを作っている数秒の間にも、その女警官は周りに愛想をふりまいています。女警官からの"尋問"が終わって、パスポートのコピーと調書のコピーを取りに行きました。

小さな通路を挟んだ窓際の部屋には上司らしき警官が仕事をしていて、その上司のサインとスタンプを貰った後、「ここに署名せよ!」と言われたので素直に署名をすると、下から調書のコピーがわんさか出てきて、びっくり!

1枚につき2箇所サインする欄があり、6~7枚の写しがあったので、合計14回ほどペンを走らせて署名するはめになりました。



- ティラノからミラノ中央駅までの時刻表をメモしていた -

- 調書の"英作文"で役に立った"たびのメモ" -

COLICOあたりで寝たことが分かる。
目が覚めた直後にメモをとったことは確実に覚えていた。
もう一つのメモからCOLICO駅到着は16時02分なので、
到着前に"事件"が起こったのかもしれない。

すると、その女警官は横から出てきた眼鏡をかけたまじめそうな30歳前後の男性警官にバトンタッチして、そそくさと身支度をしてから警察署を出て行ってしまいました。勤務交代された男性警官は、住所録から日本大使館の住所をメモ用紙に写してくれて、「明日の朝9時から開いているので、行きなさい。地下鉄ですぐだ。」と言いました。

「自分は遅くとも朝の8時過ぎにはミラノ・マルペンサ空港に行かなくては、フランクフルト行きの飛行機に乗れない。しかも、金を全く持っていない」と言いました。
その後、警察署を出て、いろいろ試行錯誤し、相当な紆余曲折がありましたが、何とか解決の糸口が見つかり、再び警察署に戻りました。そうしたなか、警官3人がセキュリティーロックされたドアから出てきました。

男性警官2人、女性警官1人です。1人の男性警官は自分よりも背がかなり高いです。でも自分より年下のような感じで、22歳前後かなぁ…ものすごく若く見えました。

"エアポルト?"ともう1人の男性警官が若干オペラ口調で言いました。"エアポルトって何?"と思っていたら、続けて"エアポルト アンド エアプレイン"と言った時、そばにいたフランス人の感じの良いご婦人が「あなたじゃないの?」というような言葉で話しかけてくれました。

警察署を出てスーツケースを転がしながら申し訳なさそうに警官3人のあとについて行きます。ミラノ中央駅の正面改札を抜け、バス乗り場へのエスカレータを下り、入り口をでました。"何事か?"という視線が集中します。視線の攻撃に耐えながらもシャトルバス乗り場までやってきました。

警察署内で"エアポルト"と言ってくれた警官が、バスの入口横にいた運転手に交渉を始めてくれました。お互いイタリア語なのですが、唯一聞き取れたのは、"ジャポネーズ"という言葉だけです。

交渉と言っても30秒か1分も経たないうちに、その運転手は、「お前のトランクをバスに積むから貸してくれ」と言い、"乗っていけよ"と言わんばかりの許しを得た笑顔でこちらに顔を向け、右手を素早くバスの方に手を指差してくれました。髭をたくわえて貫禄があるけれども、話の分かりそうな人柄です。

スーツケースを運転手に渡すと、バスに積んでくれました。積み終わった後、交渉してくれた警官が自分の手にある調書を指差して、たたんでカバンに入れるジェスチャーをしたのでその通りにしました。警官が大きく頷きました。そして、その警官と握手を交わしました。

この旅行で一番心のこもった最高の"グラッチェ(ありがとう)"を伝えました。"助かりました"というのを精一杯の表情で伝えました。思わず"ぎゅっ"と握りしめてしまいました。続いて若い警官とも握手してから手を振って最後のお別れしました。シャトルバスは2階建てバスです。

バスに乗り込んで、階段に近い2階右座席の窓際に座りました。乗車している人は少なく、2階席にはほとんどいませんでした。

席についてからしばらくして、「これで帰れる!!!」という安心感が押し寄せたり、苦労した悔しさが交錯したりして、なんだか言いようのない気持ちがでてくると、涙が出てきました。
結局、ミラノ中央駅からミラノ・マルペンサ空港まで無料でリムジンバスに乗ることができました。
日本では考えられないことです。東京駅から成田空港まで、もしくは、大阪駅から関西空港までを無料でリムジンバスに乗るのと同じことです。

1時間後にミラノ・マルペンサ空港に到着。無一文なので、空港で一夜を明かすことに。

次の日、ミラノからフランクフルト経由で関西空港に到着。関西空港では、陸地までの移動で必ず交通費がかかります。関空で働く友人を呼び出して、電車賃を貸してもらうことができました。
結局、ミラノから日本の自宅まで自分のお金を一銭も使わず(使えず)に帰国することができました。みなさまのご厚情に深く感謝いたします。

さて、盗難にあったので海外旅行保険の申請が必要になりました。出発の時に関西空港で加入していたのが幸いでした。

まずは加入時に渡されたマニュアルを熟読。トラブルがなければ無用の長物のように思いがちですが、手順が詳細に記載されています。今回の事例は「携行品損害」にあたるようです。期間内に申請すると指定の銀行口座に損害額が振り込まれるようでした。

保険会社に連絡すると申請用紙が送られてきました。必要事項に記入し、盗難の証拠となるイタリアの警察で書いた調書やメモ書きなどを添付しました。
返送の数日後、保険会社から連絡がありました。サイフを購入したレシートの有無を聞かれました。レシートはありませんでしたので、クレジットカードの明細が残っていたので、それを送りました。

保険会社にもよると思いますが、購入品のレシートかクレジットカードの明細は、支払いの際に重要な証拠となるようです。なので、一定期間は保管した方がいいかもしれません。

購入日から1年程度経過しているので減価償却の観点から若干減額はされましたが、数日後には銀行口座に47,500円が振り込まれていました。
いろいろつらい目にあいましたが、せめてもの慰めです。

このような経緯があったので、海外旅行をする時には必ず旅行保険に加入しています

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